散文。

休みの日は寝たくないんだよー。
　
夜更かし大好きなのに、日の出と共に起き土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おうちがった夜更けに帰宅する生活の現在ですが、やっぱり夜が好きだ。

寝不足で仕事が頭で煮詰まってぼんやりしながら、夜の丸の内の明かりをぼんやり見る。明かりのついているビルが多い。酔っ払った誰かのお父さんたちが歩いていく道の上で、まだ働いている人たちが居る。それは励みにはならない。でも、少しだけ同志みたいな気持ちを持ったりする。電車の中、黄色白い蛍光灯の下で、人の顔色は皆悪く見える。さえない感じ。疲れている感じ。倦怠感。疲労。一日を終えたという気持ち。また明日。
忙しくて、返事も出せないメールが何通か。誘ったけれど、具体的になれないでいる約束。仕事が落ち着いたらと言って交わした携帯番号。あ、あんまりメールは使わないから会社のアドレスで。電話はいつでも。うん、わかった。じゃあ今度PCアドで送るね。電話する。

寒いけれど、頭が熱い。頬に当たる冷たい風が心地いい。そしてふっと思い出がフラッシュバックする。お母さんもう寝たかな。そういえば死んでるんだっけまあいいや。それにしても益子結婚かー。来年のハワイはいつ行こうかな。早く仕事が落ち着かないかなー、デートにも誘えないよ…って誘えるのかな。夜中に電話が鳴るけれど、眠くてどうしても取れない。留守電が作動するのがわかる。メールしとくのでよろしく。

目を覚ましたらまだ夜の中で、それが嬉しくもあるし何処かに置いて行かれたような気になって心細くなったりする。遠くでサイレンが鳴り、誰かがあの雪の夜みたいに運ばれて行くのを聞いている。