…あれ。

2004年5月24日 日常
「パパと別れることにした」と、父の嫁が言った。

遊上と父がいつまで経っても歩み寄れない原因はそのまま、
嫁が父を耐え難く思う所でもあったということだ。
誰が死のうが後悔しようがそれを少しも活かせず、
変わろうとしない父(還暦)。ヤバイ。

受話器の向こうで、いつも勝気な人の声が揺れていた。

父と遊上はとても似ていて、だから余計に衝突する。
嫁がぽつりぽつりと話すことを聞いていたら、
そのあまりのそっくり加減に目眩を覚えた位だ。

嫁:「○○で○○○○ってなっちゃうんだよね…」
遊:「あーそれはね、○○○で○○○○○○って思ってるんだよね。
   でも、やっちゃった手前言えないんだよね」

嫁:「○○○でね、○○ってね…」
遊:「あーそれはね…(以下同文)。…って、あれ」

何で遊上が父を庇うようなことを言っているのだ。

しかし、言葉がどんどん溢れてきたんだからしょーがない。
父より嫁の方が好きだから、嫁が幸せなのが一番嬉しいんだけど。
まだ嫁が、父のことを好きならと思ったら阿呆みたいに必死になっていた。

成るべく気楽に話すように。
重々しく受け止められないように。
押し付けていると思われないように。
電話をかけてくれた気持ちを、余さず掬い取れるように。
父なんて絶対庇いたくないと分かってもらえるように(重要)。

嫁が少し落ち着いて、父に連絡をすると言うので電話を切った。
切った途端、少し苦笑いが込み上げた。
あんた、お父さんの再婚嫌だったんじゃないの? と。
お父さんを援護するようなことをたくさん言って、
対処法を嫁にたくさん教えて。

二人がずっと一緒に居られるように。
家に帰った時、一緒の姿を見たくて。

我ながら馬鹿だと思う。

母の遺言を、今でも忘れていない。
死んだ人の願い事と生きている人の願い事の間で、
死にたいほど苦しんだことは忘れられない。

だけど。
 

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