知らない内に我慢していたのかもしれない。
父の再婚相手。
その娘。
弟の結婚。
母の不在。
しんどいと思うことさえしんどくて、
何も考えないようにしていた。
何も言わなければ、皆幸せなのだから。
私だけが悲しい訳では無いのだから。
生きている人には、生きている限り幸せになる権利があるのだから。
でも、考えてしまう。
考えてしまえば口に出したくもなるけれど、
でもそれはきっと、皆を傷付ける言葉で。
傷付けたくは無い。
自分が物の分からぬ人と思われるのも嫌で。
だとしたら、思い出さなければいい。
思い出せば考えてしまうし、
考えてしまえば言葉にしたくなるのだから。
見なければそれは無かったこと。
自分の心が見えなければいい。
そんな風に、楽な方へ自ら進んでいって。
――それは、我慢とは言わないな。
先日、どす黒い日記を書いたら少しだけすっきりしていた。
心配をかけた人たちにはとても申し訳無いのだけれど。
見ない振りをしていても傷口はやっぱり傷口だし、
治療もしないで放って置けば膿みもするのだと知った。
出して良かったと思う。
膿を取り除いても痛みはすぐには引かないし、
傷口が綺麗に治るとは限らないけれど。
膿が全て出切ったかどうかも分からないけれど。
多分この痛みは、生きている限り続く。
こうして何処かで言葉にして、
胸の痞えをほんの少し、取り除くことしか出来ない。
引き摺り続けることに迷い、吹っ切ることも出来ないままで。
今はそういう風にしか生きられない。
夕餉の支度をしていたら、
TVからアンパンマンマーチが聞こえてきた。
いつか私も、こんな言葉を言えるようになりたい。
そう思いながら、柔らかなキャベツを刻み続けた。
玉葱じゃないのに、涙で視界を歪ませて。
いつまでもアンパンマンマーチを歌った。
父の再婚相手。
その娘。
弟の結婚。
母の不在。
しんどいと思うことさえしんどくて、
何も考えないようにしていた。
何も言わなければ、皆幸せなのだから。
私だけが悲しい訳では無いのだから。
生きている人には、生きている限り幸せになる権利があるのだから。
でも、考えてしまう。
考えてしまえば口に出したくもなるけれど、
でもそれはきっと、皆を傷付ける言葉で。
傷付けたくは無い。
自分が物の分からぬ人と思われるのも嫌で。
だとしたら、思い出さなければいい。
思い出せば考えてしまうし、
考えてしまえば言葉にしたくなるのだから。
見なければそれは無かったこと。
自分の心が見えなければいい。
そんな風に、楽な方へ自ら進んでいって。
――それは、我慢とは言わないな。
先日、どす黒い日記を書いたら少しだけすっきりしていた。
心配をかけた人たちにはとても申し訳無いのだけれど。
見ない振りをしていても傷口はやっぱり傷口だし、
治療もしないで放って置けば膿みもするのだと知った。
出して良かったと思う。
膿を取り除いても痛みはすぐには引かないし、
傷口が綺麗に治るとは限らないけれど。
膿が全て出切ったかどうかも分からないけれど。
多分この痛みは、生きている限り続く。
こうして何処かで言葉にして、
胸の痞えをほんの少し、取り除くことしか出来ない。
引き摺り続けることに迷い、吹っ切ることも出来ないままで。
今はそういう風にしか生きられない。
夕餉の支度をしていたら、
TVからアンパンマンマーチが聞こえてきた。
そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも
いつか私も、こんな言葉を言えるようになりたい。
そう思いながら、柔らかなキャベツを刻み続けた。
玉葱じゃないのに、涙で視界を歪ませて。
いつまでもアンパンマンマーチを歌った。
コメント