膿。

2004年4月30日 寝言
知らない内に我慢していたのかもしれない。

父の再婚相手。
その娘。
弟の結婚。

母の不在。

しんどいと思うことさえしんどくて、
何も考えないようにしていた。

何も言わなければ、皆幸せなのだから。
私だけが悲しい訳では無いのだから。
生きている人には、生きている限り幸せになる権利があるのだから。

でも、考えてしまう。

考えてしまえば口に出したくもなるけれど、
でもそれはきっと、皆を傷付ける言葉で。

傷付けたくは無い。
自分が物の分からぬ人と思われるのも嫌で。

だとしたら、思い出さなければいい。
思い出せば考えてしまうし、
考えてしまえば言葉にしたくなるのだから。
見なければそれは無かったこと。
自分の心が見えなければいい。

そんな風に、楽な方へ自ら進んでいって。
――それは、我慢とは言わないな。

先日、どす黒い日記を書いたら少しだけすっきりしていた。
心配をかけた人たちにはとても申し訳無いのだけれど。

見ない振りをしていても傷口はやっぱり傷口だし、
治療もしないで放って置けば膿みもするのだと知った。
出して良かったと思う。
膿を取り除いても痛みはすぐには引かないし、
傷口が綺麗に治るとは限らないけれど。
膿が全て出切ったかどうかも分からないけれど。

多分この痛みは、生きている限り続く。
こうして何処かで言葉にして、
胸の痞えをほんの少し、取り除くことしか出来ない。
引き摺り続けることに迷い、吹っ切ることも出来ないままで。

今はそういう風にしか生きられない。

夕餉の支度をしていたら、
TVからアンパンマンマーチが聞こえてきた。
 
そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも

いつか私も、こんな言葉を言えるようになりたい。
そう思いながら、柔らかなキャベツを刻み続けた。
玉葱じゃないのに、涙で視界を歪ませて。
 
いつまでもアンパンマンマーチを歌った。
 

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