夜を越える力。

2003年11月17日 寝言
待ち合わせをした。
 
相手はアキラなので色気も何も。
ただ、晩ご飯を一緒に食べようということで待ち合わせをした。

アキラの迎えを待つ間、
駅から少し離れた場所で弟からの電話に出ながらぼうっとしていたら、
自転車で脇をすり抜けていこうとしていた男性が振り向いた。
見覚えは無い。

「おー、久しぶりー」

遊上以外の誰かに言ったのだろうと気にせず電話を続けていたら、
彼はしつこく声をかけてきた。

「遊上、遊上、俺俺」
「あ―――――――――― !!!!!」

小学校の時の同級生であった。

嬉しさのあまり電話を途中でブチ切り、
少し後に到着したアキラをほったらかして、
互いの近況を語り合った。(最低)

通りすがりで、暗くて、後ろ姿だったのによくわかったなあ。
見覚えが無いと確信しちゃってたよ遊上。
気付いて貰えて嬉しかったけど、それは言わないでおいた。
すっごく怪しんでしまったことも。

「俺、いま落ち着いてるから」

と、どう見てもやばくなりつつある生え際を向かい風に向けながら、
彼が偉そうに胸を張ったのがおかしかった。
そしてどうせ私は落ち着いてないよと答えておいた。

約束はしなかった。

「今度飲もう」とか、そういうこと。
またいつか会うだろうし、
その時はきっとまたこんな風に話すのだろうから。

いつになるかわからない「またね」をお互い言い合って別れた。

幼馴染みとはこんな感覚なのだろうか。
懐かしさと嬉しさと、少しの寂しさを抱えつつ振り返ったら、
アキラが道ばたでニヒルに煙草を吹かして待っていた。カッコイー。

生きるのって、楽しいなあ。
 
ふと、そんな言葉が胸に落ちた。
しんどいし、嫌になることも多いけど。
こんなことがあるから、夜を越えていける。

朝を迎えられる。

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